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東北ILC推進協議会

コラム

「東北へのILC誘致に関わる人たち」
東北ILC推進協議会事務局次長 晴山 睦
 
それぞれの業務の中でILC誘致に備えてがんばっている人たちがいますので、そんな方々のILCへの期待、夢などをお伝えします。今回は、東北ILC推進協議会事務局から小林豊さんと東北大学キャンパスデザイン室のキャンパスデザイナー小貫勅子さんのお二人からお話を伺いました。
○東北ILC推進協議会事務局次長 小林 豊さん
(昨年8月から東北ILC推進協議会に所属、事業企画、予算・経理全般を担当)
◇東北ILC推進協議会の目指すものは?  東北復興のシンボルとなる「国際リニアコライダー計画」の東北誘致実現に向けて、積極的に活動を展開していきます。そのため、ILCを国家プロジェクトとして位置づけることや、東北への誘致実現に関して政府等へ要望活動を行うとともに、北上山地への立地に関する周知広報活動を行います。
また、ILCの東北受入れに向けた地域課題について、関係機関と連携して検討を行うとともに、東経連ビジネスセンターとの連携により東北全域での加速器関連産業の育成、集積に向け取り組みます。
◇協議会の取組みの重点事項について  ILCを国家プロジェクトに位置付けていただくための政府要望活動や東北の気持ちを一つにするための地域課題の取り組み、そして、広く知って頂くための広報戦略の取り組みが特に重点と考えます。
その他、中高生向けの科学技術講座の開催や加速器関連産業の育成・集積にも力を入れています。
◇ILC誘致の実現の暁に夢見ること  ILCは地域経済の進展ばかりでなく、日本、東北地方が人類全体の学術振興に貢献できるとともに、将来の子供たちへの大きな財産となると信じています。
 特に、昨年度から東北各県で取り組んでいるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)校の生徒さんから、一人でも多く、ILCに関わる仕事に従事する人材が誕生し、世界レベルの研究に参加することを期待しています。
◇個人的なILCのPRについて ILCは日本が最も得意とする素粒子物理学の最先端の研究施設です。他の国に持って行かれることは、日本の凋落を意味します。
ILC日本誘致を目指すことは、輝ける日本の未来を子供たちに託すことにつながりますし、KEK名誉教授の吉岡先生がよくお話しされるように、東北の地にシリコンヒルズができあがり、世界の加速器関連産業の一大拠点になり、必ずや研究者たちも数多くノーベル賞をとってくれると信じています。
 もし、その時に私が生きていれば、少しでもこのプロジェクトに関わったことを誇りに感じるでしょう。
 
○東北大学キャンパスデザイン室キャンパスデザイナー 小貫 勅子さん
(ILCを契機としたまちづくりやキャンパスのあり方についての検討を担当。今年度は欧州や北米でキャンパス・まちづくり調査を実施)
◇国際学術都市として目指すもの  研究者にとって快適で研究活動を行うのに十分な環境であることは勿論、国内外の多くの人に「行ってみたい、住んでみたい」と思ってもらえるようなまちを目指したいと思っています。そのためには研究者だけのムラを作るのではなく、既存のまちに溶け込んだ、地域と一体となった新しい形の国際学術都市を作りたいと思っています。周辺には、ILCから波及した産業も興ると思うので、それらも含めた新しい学術都市を市町村や県の枠を超えて形成していく必要があると思います。
◇欧米のキャンパスで参考にしたいところ。  今年の9~10月に、参考になるところを探して欧米のキャンパスを視察しましたが、印象に残るキャンパスが3つほどありました。
 ひとつはアメリカのUCバークレーのキャンパスです。UCバークレーのキャンパスはもともとの斜面で沢が流れている地形を上手に活かしています。UCバークレーのキャンパスアーキテクトも、キャンパスで一番大切なのはランドスケープだと言っていて、ILCのキャンパスデザインでもこのエリアが持っている美しい里山の景観等を生かすべきだと思うので、地形や土地の持っている風土を存分に活かしたキャンパスづくりは非常に参考になります。
 もうひとつはベルギーのルーヴァン・ラ・ヌーブです。ここはルーヴァン・カトリック大学があるまちなのですが、キャンパスではなくまちをつくるというコンセプトで設計され、歩車分離の考え方のもと駅からの徒歩圏に完全にまちと大学の機能がミックスユースになっている究極のコンパクトシティです。1Fは店舗やサービス機能、その上の階は住宅、隣の上の階は研究室というように機能がミックスされにぎわいのあるまちを形成しています。ILCのキャンパスもレストランや展示施設など開放できるところは積極的にオープンにして研究者だけでなく地域の人、来訪者も訪れて楽しいキャンパスにしたいと考えています。
 住宅面では、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるブリティッシュコロンビア大学やサイモンフレーザー大学が印象に残りました。ここではキャンパス内にコミュニティトラストがきれいな街並みの住宅エリアをつくっていて、普通に学生・教職員以外の住民も住んでいます。こうした地域と一体となった質の高い住宅整備を地元の木材を使い、気仙大工など地域の技も活用して実現したいと思います。
 あとは、キャンパス内だけでなく地域を含めたサステイナビリティをどう実現するかといったところも大切なポイントだと考えています。建築、都市インフラの他、暮らし方や新たな産業創出の面でもサステイナビリティに取り組んでいきたいと思います。
◇まちづくりの楽しみ、ILC実現への夢  この仕事の楽しみは自分が住みたいまちを実現できる可能性があるということです。ILCを契機として、自分たちがどんな暮らしをしたいのかを1人1人が考え共有し実現していくことで、住んでいる人たちが誇れるまちを実現したいですね。
Tohoku Conference for the Promotion of the ILC