東北ILC推進協議会では、ILC誘致についての理解を深めるため、10月26日に茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)視察会を開催しました。
新型コロナウイルス感染症の影響等で、今回4年ぶりのKEK視察会の開催となりましたが、感染症対策にも配慮して参加人数を限定し19名の会員にご参加いただきました。
視察会では、はじめに、KEK 山内機構長から、ILCへのKEKの取り組みの現状等についての説明を受け、ILCに係る国内外の最新状況について理解を深めました。
その後、2班に分かれ、次の施設を見学しました。
① ILC計画において最も重要な超伝導加速空洞およびクライオモジュールの技術開発を行う「超伝導リニアック試験施設(STF)」
② 超伝導加速空洞の品質向上や量産化に向けた研究開発を行っている「空洞製造技術開発施設(CFF)」
③ 電子・陽電子衝突加速器であるKEKB(スーパーケックビー)のある「筑波実験棟(Bファクトリー)」
④ 加速器に用いられる様々な機器や部品の産学連携による共同開発を行う「超伝導加速器利用促進化推進棟(COI)」
⑤ 明るく波長の短い「放射光」で物質や生命を原子のスケールで観察する「放射光実験施設(PF)」
最後には、KEK 岡田理事、ILC国際推進チーム(IDT)ワーキンググループ2のリーダーを務める道園教授にご参加いただき、参加者との質疑応答を行い終了しました。
参加した方からは、「久しぶりにKEKを見学したが、ILCに関連する技術開発が着実に進んでいることが実感できた」、「ILCテクノロジーネットワーク立上げに向けた取り組み等、国際的な連携体制の構築が着実に進んでいることが理解できた」といった声をいただきました。
ILCでの使用が予定される設備、装置を実際に見ることで、参加された皆さまには、ILCをより具体的にイメージできたのではないでしょうか。
当協議会では、こうした視察会や、講演会を通じて、ILC計画への理解が一層深まるよう、普及啓発活動等に取り組んで参ります。