地域にある、様々な加速器を使用した研究施設での学術研究や産業利用、イノベーション創出に向けた取組などにふれ、ILC誘致への一層の理解と機運醸成につなげるため、11月5日に仙台市内で視察会を開催し、26名の会員の参加がありました。視察会では、それぞれの施設のご協力のもと、様々な加速器を見学させていただきました。
①「ナノテラスNanoTerasu(3GeV高輝度放射光施設)」
ほぼ光速まで加速した電子を蓄積リングで周回させ、周回軌道上に置いた電磁石により電子が曲げられる際に発生する軟X線では世界最高水準の放射光を取り出し、様々な物質に照射してX線分析を行う施設で、2024年4月から稼働開始しています。幅広い利用により、先端科学と産業界のイノベーション創出を目指す放射光施設の仕組みや特徴、構成機器や技術、運営体制や利用システムなどについて、説明していただきました。
② 東北大学先端量子ビーム科学研究センター
三神峯事業所と青葉山事業所にある様々な加速器を見学させていただきました。同大学の加速器科学の歴史や組織、共同研究施設として、学内だけでなく国内外から利用されている各種の加速器の役割、加速器が作り出す医療用の放射性同位体(RI:ラジオアイソトープ)の利用研究や安全管理などについて説明していただきました。
見学では初めて見る機器がほとんどでしたが、各施設の皆様から、仕組みや特徴などの分かりやすい説明や見学順などにもご配慮をいただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。参加者アンケートでも、「普段見ることができない加速器を見ることができて興味深かった」、「加速器の技術が身近な分野で活用されていることが分かった」、「施設の方々の説明が分かりやすかった」などの声が多く寄せられました。
今回は、直接ILCの関係ではなく、地域にある加速器の視察となりましたが、様々な加速器の用途や目的などについて知ることにより、今後一層、ILCについての理解も深まっていくことと思います。当協議会では、こうした視察会や講演会を通じて、ILCへの理解が一層深まるよう、取り組んで参ります。