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国際的な次世代加速器開発の推進や政府間の国際協議に向けた環境の醸成について、研究者コミュニティによる取組が着実に進められてきている情勢を受け、これまでの素粒子物理プロジェクトやILCをはじめとした最新動向等についての理解を深めるため、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の山内 正則 機構長を講師として、3/7にILC講演会を開催しました。当日は、会場聴講・オンライン視聴と併せて120名の方にご参加をいただきました。
はじめに、当協議会の増子 共同代表から開会挨拶を行い、続いて、山内 機構長から「素粒子物理学の発展とILC」と題して、講演をいただきました。
山内機構長からは、素粒子の研究によって物質の根源的な姿や誕生直後の宇宙の姿が明らかになってきたこと、宇宙の謎をさらに解明するため、次世代加速器の実現が必要で、ヒッグスファクトリーとしての加速器建設が世界の4か所で提案されており、そのうちILCはコスト的にも技術的にも有力な候補であるとの説明がありました。
また、大規模化した加速器建設のコストや人員確保のため、1つの研究所や1つの国が大部分を負担するのではなく、各国が協力し『グローバルプロジェクト』として実現を目指す必要があることから、研究者側として、国内外での議論や検討のほか、政府関係者への説明など各国の理解を得られるよう取り組んでいくこと、さらに、現在の推進体制や、ILCの技術開発を国際的に進めるILCテクノロジーネットワークについての紹介がありました。